鳥猟犬の歴史 The History of GUNDOG

鳥猟犬とは

■ 歴史 ― ヨーロッパにおける成立

銃の普及が進んだ16〜17世紀以降、ヨーロッパでは銃猟が発展しました。
とりわけイギリスでは、19世紀に鳥猟が上流階級のスポーツ文化として確立します。
GUNDOGは、単なる作業犬ではなく、
近代ヨーロッパにおける実用主義と階級文化の象徴でもあったのです。
この文化の中で、
・獲物の位置を静止姿勢で示すポインティングドッグ・セッティングドッグ
・茂みに分け入って鳥を飛び立たせるスパニエル
・撃ち落とされた鳥を傷つけず回収するレトリーバー
といった役割分担が明確化され、機能に特化した繁殖改良が進みました。

1873年にはイギリスでThe Kennel Clubが設立され、血統登録制度が整備されます。
これにより、機能と外貌を固定化する「犬種」という概念が制度的に確立されました。

■ 日本に入ってきた経緯

1859年、横浜港が開港すると、横浜には外国人居留地が形成され、
イギリスやアメリカの居住者たちは母国の生活文化を持ち込みました。
19世紀、銃を用いた鳥猟は、西欧上流階級のスポーツ文化の一部でした
そのため、彼らもまた、日本で銃猟と猟犬飼育を始めたのです。
最も早く輸入された洋犬は、鳥猟犬が中心でした。
ポインターやセッターといった鳥猟犬は、単なる作業犬ではなく、
紳士的教養と社会的地位のステータスシンボルだったのです。

当時のイギリスは、大英帝国の最盛期。
植民地や条約港では「英国式ライフスタイル」を再現することが社会的優位の象徴でした。
日本も、また然り、日本の上流階級も狩猟を楽しむようになったのです。
宮内庁では、欧州王室外交の慣習に習い、上流階級の社交の場として
各地に御猟場(ごりょうじょう)を設けました。
千葉県市川市にある新浜鴨場はその代表例です。

こうした流れの中で、ポインターやセッターといった鳥猟犬(GUNDOG)が
日本へ導入され、富裕層、そして民間猟師へと広がっていきました。

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