ロゴに込めた、はじまりの物語 The Story Behind Our Logo

CACIとは

CACIのロゴに描かれている2頭のポインター。
左が「アン」、右が「ミスターD.D」。

この2頭こそが、GUNDOG RESCUE CACIの原点です。


すべては、アンから始まった

2007年11月。猟期が始まったばかりの頃。
知人のハンターの愛犬が猟中に行方不明になり、探すためにインターネットで検索していた時のことです。
偶然目に入ったのが、千葉県動物愛護センターの収容犬一覧。
そこに、痩せ細った1頭のポインターがいました。

当時の千葉県は、全国でも殺処分数が最多クラス。
一覧には「収容期限」が記され、期限を過ぎれば処分される現実がありました。
「この子を助けなければ」
そう思い、すぐにセンターへ向かいました。

そこにいたアンは、立ち上がれるのかと思うほど衰弱し、あばらは浮き、爪は伸び放題。
垂れた乳房が、彼女が繁殖に使われてきたことを物語っていました。

明るく「おいで」と声をかけると、
彼女は目を大きく見開き、まっすぐ胸に飛び込んできました。
それが、アンとの出会いでした。

首には発信機。
誰かが迎えに来るはずだと、誰もが思っていました。
けれど、迎えは来ませんでした。
発信機は、すでに使われていない古い型。
「この子は捨てられたのですね」と、獣医師が静かに告げました。

車のトランクを開けると、アンは必死に飛び乗ろうとしました。
弱りきった身体で、なお“役目”を果たそうとする姿。
その姿が、胸に深く刺さりました。

もしアンに出会わなければ、
千葉のセンターに、これほど多くの猟犬が収容されている現実を、私は知ることはなかったでしょう。
すべては、アンから始まりました。

アンはその後、セター・ポインターを愛するご家族に迎えられました。
高齢、フィラリア陽性、腫瘍の疑い――すべてを理解したうえで、家族として迎えてくださいました。
1年後、アンは温かな腕の中から旅立ちました。
風を切って走る、美しい姿を心に残して。


そして、ミスターD.D

アンを引き取った時、すでにもう1頭のポインターが収容されていました。
それがミスターD.Dです。
彼もまた、迎えは来ませんでした。
千葉は鴨場でも知られる地域。
都心に近いこともあり、猟犬の放棄が後を絶たない現実があります。

以前から、猟犬の最期が過酷であることは耳にしていました。
山に置き去りにされる犬たち。
“使えない”と判断され、手放される命。

センターでは、
「猟犬は家庭犬には向かない」
「譲渡は難しい」
そう言われ続け、行き場を失っていました。

でも、私の知るポインターやセターは違います。
人懐こく、優しく、まっすぐで、明るい。

「その実績を、私が作ります。
家庭犬になれることを証明します。」

そう宣言し、ミスターD.Dとセンターを後にしました。

職員の方が彼の頭を撫でながら、
「よかったなぁ」と小さくつぶやいた姿を、今も忘れられません。

命を処分する現場の苦しさも、そこには確かにありました。

ミスターD.Dもまた、再訓練を経て家庭犬としての道を歩み始めましたが、1年後リンパ腫で旅立ちました。

繊細で、素直で、愛らしいポインターでした。


ロゴは、誓い

アンとミスターD.D。

この2頭が、
GUNDOG RESCUE CACIの原点であり、覚悟であり、誓いです。

「猟犬は家庭犬になれない」
そう言われた現実に対する、静かな反証。

ロゴマークは、ただのデザインではありません。
あの日、胸に飛び込んできた温もりと、
「よかったなぁ」という小さな声を、忘れないための印です。

ここから、すべてが始まりました。

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